羽生善治名人「高校時代は悪い生徒だった」。KADOKAWA・DWANGOの通信制高校設立にメッセージ

電王戦、叡王戦の主催など、将棋界との関係も深いドワンゴの親会社である株式会社KADOKAWA・DWANGO(2015年10月に商号をカドカワ株式会社に変更予定)が通信制高校を設立する準備をしていると、2015年7月8日に発表しました。

KADOKAWA・DWANGO 通信制高校 設立をめざして準備中

キーワードは「ふつうの高校生になって将来どうするの?」。

そのなかで、「ふつうじゃない先輩たち」の一人として、羽生善治名人もメッセージを寄せていますので、ご紹介します。

なお、今後は加藤一二三九段、谷川浩司九段、佐藤康光九段、室田伊緒女流二段の旦那さんで囲碁棋士の井山裕太棋聖、リアル車将棋にも出演されたレーシングドライバーの脇阪寿一さんらのメッセージも配信されるようです。

教育事業の発表

まずこれは、KADOKAWA・DWANGOの教育事業の発表会の動画。

映像の中では、普通の高校生活の苦痛に耐えられなくなった生徒が、今回の新事業と思われる映像による授業を活き活きと受ける姿が描かれています。

ドワンゴの川上量生会長は「ちゃんと大学も狙えるようなカリキュラムを用意したい」と述べ、教育業界に30年以上従事しているという奥平博一さんは「ITは先生と生徒のコニュニケーションを飛躍的に高めている」と述べています。その他、色んな方がこの取り組みの意義を話されています。

羽生善治名人も出演し「全体的な水準が上がると、他の人と差をつけるのが難しくなる」と話しています。井山裕太棋聖も出演し、中学1年でプロ入りして高校には行かなかったと紹介されています。

羽生善治名人メッセージ

今回の発表に合わせて、羽生善治名人の「将来や進路に悩んでいる若者へ」という、2分あまりの動画も配信されています。

文章版もあります。

羽生善治 インタビュー

インタビュー(文章)の中で、羽生名人は自身の高校時代を振り返り

学校は月に10日弱近くは休んでいたので、ちゃんと行っていたとは言えないですね。だから、生徒としては、多分悪い生徒だったと思います。

と述べています。

羽生伝説

このメッセージを受けて、将棋界に非常に詳しく棋力もプロ並みで、もしかしたら棋士の誰かなんじゃないかと言われるツイッターアカウント、itumonさんは以下のようにツイートされています。

羽生名人は12歳でプロ棋士の養成機関である奨励会に入会。15歳、中学3年生でプロ入りしています。

年間80局は、年間最多対局数としても多い数字です(将棋では、負ければトーナメント敗退の棋戦が多いので、逆に勝てば勝つほど対局数が多くなります)。しかもそのうち64勝。

これは過酷。夜中までの対局だったら終電(新幹線)がないので始発で、ということですか。

学校のテストと重なって!!今となっては笑い話なのかもしれませんが・・・。やはり若い羽生少年とはいえテストとの両立はキツイですね。

棋士と学歴

羽生名人は、東京都立富士森高校から多忙のため東京都立上野高校通信制に転校して卒業。その他、インタビューを受けている棋士の学歴は、加藤一二三九段は早稲田大学中退、谷川浩司九段は地元神戸の私立滝川高校卒、佐藤康光九段は國學院高校卒となっています。

棋士と学歴の関係については、大崎善生さんのノンフィクション小説「将棋の子」で触れられている部分があります。

昭和58年~59年(1983年~1984年)頃までの奨励会員は高校に通わないのが多数派で、不安定な生活ながらも将棋一本で自分を追い込んでいたと。ただ、彼らは「将棋が全て」なのでプロになれないのではないかというプレッシャー(プロになれるのは奨励会員の二割ぐらいらしいです)があり、若いためにそれに耐えられず、麻雀、パチンコ、酒タバコ、謎のボランティア活動、新興宗教などに逃避する者もいたとのこと。

しかし「羽生世代」と言われる世代(羽生名人は1982年に奨励会入会、1985年プロ入り)以降は、高校に通ったほうが規則正しい生活を送れるのもありますし、高校生という社会的立場を手に入れることで、精神的なプレッシャーも軽減され将棋の方も伸びていくという考え方が主流になったとのこと。

悪い生徒

KADOKAWA・DWANGOの通信制高校が、専門的な道に進もうという高校生にとって有益なものであるかは、これだけじゃよくわからないのですが、選択肢のひとつとしては面白い気がしました。

羽生名人が「悪い生徒だった」と(おそらく)冗談で言えるのは、現在の羽生名人があるからだと思います。

そういう、何か専門的な職業を目指しているとか、夢があるとかいう意味での「悪い生徒」というのはたくさんいるはず。あと将棋というのは、まだ社会的に認められているものですが、現時点ではそうではないこと(例えば先鋭的な芸術とか動画制作などですか)を突き詰めてやろうとして「悪い生徒」になる人も多いと思いますし、しかしそういう生徒がこれからの日本を面白くしそうな気もします。

彼らが夢破れた時に、それでも高校を卒業して大学も狙えるというのは、損ではないはず。そういう意味で「悪い生徒」が堂々と通えるような通信制高校というのはありだと思いました。あと、映像の中にあったように中学高校ぐらいの年齢で将来をこんなもんだと思ってしまうという、閉塞的な空気があるとすれば、それを打開したいという理念には共感します。

前述のとおり、今後、加藤九段、谷川九段、佐藤九段らもメッセージを出されるとのこと。いずれも若くしてプロ棋士になった方々。学生時代とか、語ってくれるのでしょうか。楽しみです。

以上、ありがとうございました。

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コメント

  1. あっしー より:

    ここに書くのもなんですが、トピックスに将棋ウォーズ棋譜が紛れ込んでますよ。故意の接続切れの棋譜が晒されてます。

    • 管理人 管理人 より:

      ご報告ありがとうございます。

      なるほど、たまに上がっているなと思ったらそういうことなんですね。
      ただ、技術的には、接続切れを晒されているのかどうか判断しにくいですね・・・。ウォーズ全体をNGにして上がらないようにするのならできるのですが、そうするとたまに面白い棋譜とかが上がる時があるので・・・。

      もしご本人であれば、そのアカウントだけをトピックスに浮上させないようにすることはできます。「お問い合わせ」にその旨を追記しました。

      ご連絡ありがとうございます。

  2. 長さん より:

    羽生名人の御卒業された高校。そのころ。たまたま、校舎建て直しのドサクサがあり。
    あんまり良い高校じゃなかったですねぇ。よって学んだ内容。あんまり役立ってない
    かもしれないですが。ただ。校歌の1番の中ほど「いにしえ江戸の鎮めの地(怨→浄)」
    の一節位は。覚えとくと。あとで”叡”王戦がらみで、彼にとって、何か役立つ事が
    あるのかもしれないですね。何せここは。東”叡”山寛永寺の元境内の中(天海が建て
    た「釈迦堂」を、大正時代に移転させて、高校を建てたらしい)にありますから。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      あ、建て直しがあったんですか、それは不便だったかもしれないですね。個人的な経験で言えば、私は学生時代に学んだことをあまり覚えておりません。でも羽生名人だったらあの記憶力ですから、覚えているには覚えていると思いますけど役立っているかは微妙ですね。

      歴史の情報ありがとうございます。なにか、ご縁がありそうなことですね。

      校歌、なにやら意味ありげですね。

      過ぎし時代に唱えつつ
      新しき世に捧げたる
      高き至誠の香に匂う
      いにしえ江戸の鎮めの地
      東叡山の丘の上
      そそりて立つは我が母校

      しかもこの高校の校訓には「叡智健康」とあるのでさらになにかご縁がありそうです。
      この歴史から校訓が来ているのかもしれませんが。

      コメントありがとうございます。

      • 長さん より:

        元々我々は。江戸幕府を滅ぼした国家のもとで、日々暮らしているんですね。
        従って。徳川一族の方々には。逆鱗に嬰れるような活動は、なるだけ避ける
        ように。また。もともと滅ぼされた恨みのある彼らに対し、”東叡山”が広く
        鎮めの場である事を、けして忘れないように。羽生名人の御卒業高校の周り
        の環境は、そのためにも、日頃大切に致したいものだとしみじみ感じます。

        • 管理人 管理人 より:

          コメントありがとうございます。

          羽生名人の高校の周辺の歴史について情報ありがとうございます。そうですね、私は歴史に疎いので気にしたこともなかったですが、今後は思い出しますね。

          ここは将棋サイトですが、私としてもその周辺の情報もあわせてご紹介していきたい気持ちでいます(私に分かる範囲ですが)。

          コメントありがとうございます。

  3. 匿名 より:

    かなり失礼なこと書きますが、僕は羽生名人が月に10日弱学校を休んでいたことよりも、管理人がちゃんと将棋の子を読んでいたことにビックリです。
    どこぞの将棋まとめブログの管理人とは大違い……。
    ここの管理人なら、今度映画化される聖の青春も読まれてそう。いつか、将棋を題材にした書籍のオススメ記事をお願いしたいです。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      なぜか私の行動に驚いていただいて、ありがとうございます。いえ、最近読んだんです。聖の青春も読みました。

      私は将棋ファン歴1年半ほどの新参者で、ファンになって最初の頃はリアルタイムの対局を追うことと棋力の向上で精一杯だったのですが、近頃は昔書かれた本なども読んでいます。このサイトをやり始めてから、コメント欄でいろんな本を教えていただきまして、それを読みながら過ごすという、忙しくも楽しい日々を送っています。

      私も書評というか、オススメ書籍的なものは書きたいのですが、何しろ文学は不得意分野ですね。もうしばらく、いやだいぶしばらくお待ち下さい。
      当サイトに寄稿いただいているひろさんやアライさんならやってくれるかも・・・。聞いてみますね。

      「失礼なこと」とありますが、率直にありがとうございます。新参の将棋ファンですので、素人臭い記事なども多いかと思い、従来からの将棋ファンの方に対して申し訳なく思う時もあります。こちらも成長をお待ちいただければと思います。

      コメントありがとうございます。

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