第65回NHK杯開幕戦、藤井猛九段がノーマル四間飛車でAKB48卒業の高橋道雄九段を破る

第65回NHK杯テレビ将棋トーナメントは2015年4月5日に開幕。

開幕戦は、高橋道雄九段と藤井猛九段という豪華なカードでしたが、結果は、藤井猛九段の快勝と言ってもいい内容でした。

詳しい棋譜はNHK杯ホームページでご覧ください。

ノーマル四間飛車に

先手番となった藤井九段は、対局前のインタビューで「毎年のことですけど、今年はがんばりたい。高橋九段はいきなり強敵だが、開幕戦にふさわしい、いい将棋を指したい」とコメント。

一方の後手番・高橋九段は「ほぼ30年ぶりぐらいに予選に回ることになりまして、この年齢(54歳)で予選を勝ち抜くのは大変かなと、もしかして自分のキャリアの中で前期の羽生名人(羽生善治名人)との対局が(NHK杯本戦の)最後になってしまうかなと思ったが、なんとか頑張って予選突破できた。とてもありがたい。一生懸命突破したらなんと藤井九段が待っていた」などと、ニコニコしたお顔でコメントしました。

高橋道雄九段は35回目の本戦出場

高橋九段、35年連続の本戦出場ということで本当にすごい。しかも上記の通りコメントも大棋士なのに謙虚で、それにブログも毎日のように更新されており(内容も充実)、すばらしいです。

なお高橋九段はこのNHK杯予選で熊坂学五段などを破っています。

予想外の出だし

初手から▲7六歩 △3四歩、そして▲6六歩という出だし。この3手目▲6六歩により、藤井九段が最近採用することが多い角交換四間飛車の可能性はなくなり、最近にしては珍しいノーマル四間飛車となりました。

ノーマル四間飛車については、解説の森内俊之NHK杯選手権者も「予想外の出だしになりましたね。これはちょっと、一世代前の藤井さんが指していた将棋」とコメントしていました。

高橋道雄九段は珍しい形に

駒組みは、藤井九段が藤井システムをちらつかせながら後手に穴熊にさせないように展開。一方、後手の高橋九段は、24手目に△4二銀上と上がるなど、変わった形となりました。

森内NHK杯は「相当珍しい形。玉を戦場から遠ざけるのが高橋流だが、△4二銀と上がると玉の囲いに進展性がない」と解説しました。

後手に穴熊がないと見た藤井九段は着々と、自身の囲いを美濃囲いから高美濃囲いに発展させました。

伊藤かりんさんファンのために?

ちなみに、直前に放送された将棋フォーカス(リニューアル初回)では、新司会の伊藤かりんさんが中村太地六段と対局し、その際には中飛車で、美濃囲いにしていました。

伊藤かりんさんの得意戦型を知っていた藤井九段が、その流れを受けて、ほぼ必ず美濃囲いを選択可能なノーマル四間飛車を採用したという見方もできなくない、と思いました。これは、将棋フォーカスからの流れでNHK杯も視聴するであろう、伊藤かりんさんのファンに対するひとつのサービスであり、エンターテイナーである藤井九段ならこれぐらいはやってのけます。

AKBから卒業した高橋九段が仕掛ける

一方、この前日のブログでAKB48ファンからの卒業を発表した高橋九段は、飛車を7筋に回し、28手目△7五歩と仕掛けました。

ここから飛車角総交換となりましたが、藤井九段の綺麗で固い高美濃囲いと高橋九段の珍しい囲いの差が出たのか、それともアイドルへの思いの差が出たのか、とにかく藤井九段がペースを握ることに。

ファンタもなく終局

先手は45手目▲1五歩から端を攻め、後手玉を追い込んでいきました。

藤井九段には、得意の終盤のファンタも期待されましたが、その期待には応えず、実に危なげなく後手玉を寄せ切り93手で快勝となりました。

▲6六歩は予定だった?

感想戦で、司会の清水市代女流六段から「3手目の▲6六歩は予定通り?」と聞かれた藤井九段は、その質問に少し沈黙し、そして「はい、はい。ええ、ええ」と冷たく回答。新たに将棋ファミリーへ加わったアイドルへの思いをにじませました(私(管理人)の独自解釈)。

終わってみれば藤井九段の快勝。2回戦では順位戦A級に復帰した屋敷伸之九段が待っています。

以上、ありがとうございました。

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コメント

  1. やったか? より:

    ごくごく自然に、藤井先生がアイドルフリークという設定になってる件。
    管理人様の(ぶっ飛んだ)独自解釈が楽しみで記事を愛読しているふしがあります、私。
    伊奈川新手に関する記事でもそうですが、そういう独自解釈を想像(妄想?)するのも、「観る将」の楽しみの一つだと私は思います。
    大変でしょうが、これからも楽しい記事を書いて頂けたらと思います。

    • 管理人 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      ええ、私は棋力は低級であり(目下特訓中ではありますが)、なかなか棋譜の良し悪しについて書けないのが苦しいところです。
      いつか私の棋力が充実したら、もっと書きようがあるので、それまでお待ちいただければと思います。

      先ほども書いたことの繰り返しになりますが、やはり棋譜以外のところで観る将棋ファンの方々は、将棋に価値を見出していると思います。
      少なくとも私がそうですし。しかしそれをどういう形でお伝えするのがよいか、このサイトの運営上もっとも根本的で難しい課題です。

      いつもご助言ありがとうございます。

  2. やったか? より:

    管理人様、ご返事ありがとうございます。

    私自身は現在「観る将」なのですが、将棋の普及のことを考えると、「観る将棋ファン」が「指す将棋ファン」に変わってくれるのが望ましいんでしょうね。
    指導対局って、一度受けてみたいのですが、管理人様はされたことがありますか?
    棋士が将棋を指す姿を観るのが好きな自分にとっては指導対局って絶好の機会なのですが、棋力も低いし(棋力が低いから指導対局を受けるんですが)、駒落ちの指し方とかわからないので不安が大きいんですよね。

    • 管理人 管理人 より:

      再コメントありがとうございます。

      私も指導対局は受けたことがないのです。
      機会があればやってみたいと狙っているんですが、なかなかタイミングが合わず。特に不安とかはないですけどね。
      ただ私も駒落ちは全くやったことがないです。むしろ私が落としてやることはありますが(初心者の友人とかにです)。

      あとは、観る将でもいいと思います。それは他の趣味、例えばスポーツ、音楽、写真、絵画、俳句、盆栽などでも、観るだけの人は多いものです。
      これらの趣味の中で、たまたま、将棋は気軽にだれでも指すこともできますから、指せばなお楽しいとは思いますが。

      コメントありがとうございます。

  3. やったか? より:

    管理人様、ご返事ありがとうございました。

    もし管理人様が指導将棋を受けられたら、ぜひそのレポート記事を読んでみたいなーと思います。わたし自身は、金井五段の指導を受けてみたいなと思っていますが、機会がありますかどうか・・・。

    • 管理人 管理人 より:

      再コメントありがとうございます。

      そうですね、さすがに1回指導対局を受けて記事を書くのもどうかと思いますので、8回ぐらい受けたら書こうと思います。
      なかなか棋士を限定すると難しいかもしれませんね。
      ちょっとその辺の事情も、できれば記事にしたいです。

      コメントありがとうございます。

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