第3回電王トーナメント、注目の技巧が敗退、超やねうら王は格上を連破。ベスト4が決定

2015年11月21日~23日に開催中の第3回将棋電王トーナメント。

22日は予選を勝ち上がった12ソフトによる決勝トーナメント(1回戦~準々決勝)が行われました。

詳しいトーナメント表は以下を御覧ください。

第3回電王トーナメント対戦結果(ニコニコ動画)

今大会に突如現れ、予選を2位で通過した注目ソフト「技巧」が敗退する一方、「甘いものの食べ過ぎで虫歯が痛すぎて考える気力を喪失」したと自己PR文書に書いていた「超やねうら王」が予選11位ながら格上を連破して準決勝に進出しました。

技巧敗退の原因

技巧については以下の記事も御覧ください。

電王トーナメントに「技巧」という強すぎるソフト現る。参考文献に多くの棋書、人間に近いタイプの可能性

技巧、floodgateでPonanzaと初対決し勝利。Ponanzaの独創的序盤に振り飛車穴熊で対抗

「技巧」開発者の出村洋介さんインタビュー。人間が重視する評価項目をもれなく考慮。自身は観るファン

技巧は予選を2位で通過し、決勝トーナメントは2回戦(準々決勝)からの登場。その相手は予選10位のnozomi。

後手の技巧がゴキゲン中飛車を選択したのに対し、先手のnozomiが超急戦で対抗。

20151122-20手

ゴキ中超急戦について以下の記事も御覧ください。

ゴキゲン中飛車の▲5八金右超急戦は藤井猛竜王の新手。繰り返す。ゴキ中超急戦は藤井竜王の新手

序盤で劣勢に

以下の局面。わずか27手でnozomiの評価値は450(自分が有利と認識)を超え、後手の技巧の評価値はマイナス350程度(自分が不利と認識)。

20151122-27手

解説の千田翔太五段によれば、このような変化は予選でも懸念されていた技巧の弱点。定跡面に危うさがあるようです。上記の局面は人間の研究においても先手が良いという評価だったはず、とのことでした。

技巧開発者の出村洋介さんによれば、このような形になった原因について「開発者の棋力が高ければ定跡を目で見て選別もできるが、いかんせん僕はできないので、とりあえず勝率があまり良くない定跡は除いていた。ただ、全部目で見ているわけではないのでたまにこういう形になってしまう」とのことでした。出村さんは前日のインタビューで「自身は観るファン(再掲)」で棋力はそれほど高くないと自己評価していました。

その後、50手付近まで進んだところでは各評価値が1000点/マイナス1000点まで拡大。

117手にてnozomiの勝ちとなりました。

超やねうら王は予選上位ソフトを連破

超やねうら王の予選順位は11位(12位までが通過)ということで、ギリギリの通過。

決勝トーナメント1回戦は予選6位の習甦。詳しい棋譜は割愛しますが、先手が超やねうら王、後手が習甦で、戦型は横歩取りの青野流と呼ばれる定跡に。

序盤早々に、先手の超やねうら王が優勢を築きました。

ごっつい電気代かかった

超やねうら王開発者のやねうらおさんは序盤の戦果について、以下のように解説してくれました。

やねうらおさん「対習甦の作戦を用意してきて狙い撃ちさせていただいた。習甦は定跡を作る時に、プロの棋士の棋譜から探索して評価値が悪くないものを定跡として採用している。最近の定跡作りとしてはよくあるパターン。習甦はその時、12手の深さまで読んで定跡を作っている。それは浅すぎるんじゃないかと思って、私は28手でやってみたんです。去年の1月2月ぐらいに2ヶ月かけて28手の深さで32手目まで、プロの棋譜4万局に対して定跡作ってみたんですよ。ごっつい時間かかってごっつい電気代かかったんですけど。習甦はこれにハマるだろうと」

やねうらおさんの説明を聞いた、習甦の開発者の竹内章さんは「なるほどなと思いました。やねうら王さんと対戦することになって、いやな予感したんですよ(笑)」と話してくれました。

これは、12手までの探索では互角の定跡であっても、その後の28手目まで読んだときに、超やねうら王は形勢が傾くことを知っている、習甦はそれを知らない、ということだと思います。そのような定跡に超やねうら王が誘導したのだと思います。

超やねうら王は序盤の優勢を維持して勝利しました。

2回戦でも序盤で有利に

2回戦ではtanuki-(予選3位通過)と対戦。予選でも対戦し敗れていまいたが、決勝トーナメントでは序盤で有利になりました。

やねうらおさんは「作戦にハマったのかなと。こういうパターンにハマる将棋は多いなと思っていた。実力としてはtanuki-の方が強いはずですが、定跡をプロの棋譜から作っているとこのパターンにハマるかなと思っていた」と話されていました。

超やねうら王は序盤の有利を徐々に拡大して勝利。準決勝に進出しました。

ベスト4

技巧は定跡面の弱さが出て敗れる一方、超やねうら王は定跡の作り方で相手を上回り予選上位のソフトを連破。

なおnozomi、超やねうら王の他にベスト4に進出したソフトは、予選1位通過のPonanzaと予選5位通貨の大樹の枝(元Apery)。

5位決定戦にまわったのは、技巧、tanuki-の他、大樹の枝に敗れた予選4位の大将軍、Ponanzaに敗れた同9位のひまわりとなりました。

準決勝はPonanza vs 大樹の枝、nozomi vs 超やねうら王の組み合わせとなっています。

いよいよクライマックスを迎えた第3回将棋電王トーナメント。準決勝、決勝、5位決定トーナメントは11月23日に行われます。

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