ちきりんさん「竜王戦にコンピュータソフト枠」を提案。永瀬拓矢六段は条件付きで「見てみたい」と回答

「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身につけよう」などの著書で知られる、社会派ブロガーの「ちきりん」さんが、ラジオ番組で永瀬拓矢六段に「竜王戦にコンピュータソフト枠を作って、ソフトが参加するのを見てみたい」と提案しました。

竜王戦と電王戦、字面が似ているのでわかりにくいですが、提案は「りゅうおうせん」にソフトが出たらどうか、というものです。

もう一つ、混乱を招くといけないのであらかじめ書いておきますが、永瀬六段は荻上チキさんともラジオ番組で対談していますが、「ちきりん」さんは荻上チキさんのアダ名ではなくて、別人です。

荻上チキさんは男性であり、ちきりんさんは女性です。

提案があったのは、ちきりんさんが月に3回ほどパーソナリティを務めるラジオ番組TOKYO FM「TIME LINE」の2015年4月1日の回。この回では、将棋電王戦について取り上げられ、そのなかで、電王戦FINAL第2局でコンピュータソフトSeleneに勝利した永瀬拓矢六段が電話出演しました。

ちきりんさんと将棋

ちきりんさんは、2012年7月27日のブログ記事で、森内俊之名人(当時)の就位式・祝賀会に参加したことを書いています。森内九段は「自分のアタマで考えよう」の推薦文を書いたのだそうです。

このブログ記事では、自身の将棋知識について

「なんで“名人400年”なのに、“第70期名人”なんですか? 330年の誤差はなんですか?」とか聞いてたくらい

と述べています。

棋力は初心者レベル

ちきりんさんと、この就位式に参加していた片上大輔六段とは以前よりネット上で知り合いだったようです。その後ちきりんさんは自分でも将棋を始め、片上六段の勧めで「ちきりんの将棋練習記録」というブログを始めたとのこと。これが2013年の秋。

棋力はこの記事が参考になると思います。微笑ましい初心者のレベルでした。でも最初はだれでもこんなもの。現在は「あまりにも難しすぎて絶賛挫折中」らしいです。

ちきりんさんは最初、人工知能に興味があったそうで、そこから電王戦に興味を持ち、将棋にも興味を持つようになったとのこと。

トークの内容

「TIME LINE」での永瀬六段との対談の内容は、前述の荻上チキさんと永瀬六段の対談の内容と重複する部分もありましたので、それはこの記事では省略します。

その他、主な永瀬六段の発言内容は以下です。

・今回の電王戦の棋士の好成績(この日までに2勝1敗)の理由は、棋士がこれまで以上に危機感をもって臨んでいるため
・コンピュータへの対策は、棋士への対策とはまったく別物である
・コンピュータ対策で得たものを普通の棋戦に活かすのは難しい。が、活かせるようにがんばりたい
・棋士がコンピュータに全く勝てない、という未来は想像できない。人間側もコンピュータ対策が進むため
・今回は電王戦「FINAL」であるが、今後も続けていってほしい。棋士側も盛り返すと思う。それを見てみたい

竜王戦にコンピュータソフトも参加

トークの終盤で、ちきりんさんは「最後に1個だけお聞きしたい」と前置きし、「竜王戦だと、女流棋士枠とかアマチュア枠ってあるじゃないですか、あそこにコンピュータ枠っていうのができて、竜王戦の1回戦からコンピュータも5つ参加してくるみたいなのって、私は個人的にちょっと見たいなって思ったんですけど」と提案。

竜王戦では、女流棋士枠が4つ、アマチュア枠が5つ、加えて奨励会員の枠も1つあります。

タイトル経験者に配慮があれば

その提案に対し永瀬六段は若干戸惑いながらも「発想がなかったので、すごい、とても面白いなっていうふうに思いました。僕も見てみたいんですけど、ただ、そうですね、タイトルホルダーとか、格のある棋士がいるわけなので・・・」と回答。そして「見たいんですけど、なんていうか、そうですね、例えば(コンピュータが)タイトル経験者には当たらないとか、そういう配慮があれば、すごく面白いと思います」とも述べました。

ちきりんさんは、「なるほど、ぜひ私は見てみたいと思っているんです」と重ねて発言しました。

どうやるの?

竜王戦にコンピュータソフトが参加して、かつタイトル経験者と当たらない、というトーナメント表は難しいですね。

ただ、せっかくコンピュータがこれだけ強いので、何か棋戦に活用できないかと考えるのは自然ですね。現状は、人間同士の対局に、ソフトの評価値を出したりしているにとどまっていますが。例えば、アマチュア棋士がコンピュータソフトに勝つと本戦に参加できる棋戦とか。奨励会や研修会の入会試験の試験管としてコンピュータソフトを使うとかですかね。インターネット奨励会入会試験とかやったら門戸が広がって入会希望者殺到ということになるかも。連盟も受験料で儲かり、ソフト開発者もライセンス料で儲かりますね。

人工知能

人工知能を経て将棋に興味をもったというちきりんさんに、この対談の後、視聴者から「コンピュータの進歩が人類を滅ぼす、という意見についてどう考えるか?」という質問が。

この質問にちきりんさんは「新しい技術は常に恐れられている」と言い、米ソ冷戦時代の原子爆弾の例をあげ、それを「人間は知恵を出し合って乗り越えた。人工知能に関してもそれを乗り越えていけると信じている」と話していました。

人工知能は、先日の羽生善治名人とチェスの伝説的チャンピオン、ガルリ・カスパロフさんとの対談でもテーマになったことですので、興味がある方は以下の記事もご覧ください。

ETV特集「羽生善治×ガルリ・カスパロフ対談」。人工知能、加齢、引退、チェスと将棋の違いなど

ちきりんさん、永瀬六段、いろいろお話いただきありがとうございました。

追記:
この記事をリリースした後、ちきりんさん本人がツイッターでこの記事に言及されました。以下をご覧ください。

ちきりんさん「コンピュータソフトが奨励会からプロ入りして棋戦に参加したら面白い」

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コメント

  1. ソフトの棋戦参加について より:

    電王戦でも対局ルールの策定に四苦八苦されていたように
    人間とソフトのイコールコンディションのルールを考えるのが非常に難しいでしょうねぇ
    あとはソフトがタイトルホルダーになったりする事はスポンサーが嫌がるでしょうし
    ソフトにはタイトルホルダーにまつわる将棋以外の仕事はこなせませんしね
    結局ソフト参加のタイトル戦が有り得るとしても電王戦を発展させた形の新しい棋戦になるんでしょうね

    • 管理人 管理人 より:

      コメントいただきありがとうございます!

      そうですね、ちきりんさんも本当に実現すると思って発言したわけではないと思いますが、
      一般の方(熱心な将棋ファンではないという意味で)の率直な意見としては、やはりこういうのもあるのかなと思いました。

      スポンサーの問題も重要ですよね、一般のファンがそれを望んでいるのかもありますが、お金を出す人がそれを望んでいるか
      というのが最後に重要になりますね。電王戦のスポンサーにはインテル、MSなどハイテク企業が並んでいますが、
      このような企業との親和性が良いのでしょうね。これらの企業がスポンサーの棋戦があったとして、
      タイトルホルダーまでソフト(またはその開発者ですか)になることを望むか、でしょうね。

      コメントいただきありがとうございました。

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