ソフト開発者の平岡拓也さん、Aperyをオープンソースに。電王戦FINAL第1局の終局後会見で発表

2015年3月14日に開催された将棋電王戦FINAL第1局(▲斉藤慎太郎五段VS△コンピュータソフト・Apery(エイプリー)、斉藤五段が勝利)の終局後の会見において、Aperyの開発者である平岡拓也さんが、このプログラムをオープンソースにすると発表しました。

追記:
Aepryのインストール方法や使い方などは以下の記事をご覧ください。

Aperyの使い方。あと△2八角打つか実験してみた

オープンソースとは

プログラムに馴染みがない方は「オープンソース」という考え方を理解しにくいかもしれません。意味としては、プログラムの「ソースコード」と呼ばれる、要するに設計書的なものですが、通常は見ることができないこのソースコードをオープンに、つまり誰でも見たり、改造して別のプログラムを作ることが出来る状態にすることです。

これによって、第三者からプログラムの不備・改良点の指摘を受けたり、あるいはこのプログラムをもとに他の誰かが改良してさらに別のプログラムを作ったりと、飛躍的にプログラムが改善される可能性が広がります。一方で、この場合平岡拓也さんだけが知っていたAperyのアルゴリズム(強さの秘密、とでもいいましょうか)を他の人が知ることにもなり、その点で利益を損なう可能性もあります。

平岡拓也さんのねらい

終局後の会見で、司会者が質疑応答の受付を打ち切ったあと、平岡拓也さんが何か発言し足りないような様子で声を上げました。

平岡さんは「今回の対局ルール(ソフトを事前に対局者に貸し出すなど)に不満があった」としながらも、この企画について「将棋に興味をもってくれる人が増えたり、斎藤慎太郎五段がカッコ良かったといって観る将になっていただいてもいい」と発言。

そして「プログラム面でも、コンピュータ将棋に興味を持ってもらったらいいな」として、「せっかくApery作ったし、公開する形でみなさんに使っていただけるようにしようかなと」と述べました。

このねらいについては、将棋が好きな人には棋譜の検討に役立ててもらいたい、プログラムに興味を持っている人にはAperyの中身に興味をもってもらいたい、とのことでした。

やねうらおさん、リーク

ちなみにこの電王戦FINALの3番手で登場するソフトウェア「やねうら王」の開発者である「やねうらお」こと磯崎元洋さんは、10ヶ月前に以下のようにツイート。

これは昨年の世界コンピュータ将棋選手権でAperyが優勝した時のものです。この早すぎるリークに平岡拓也さんも

とツイートしています。

Bonanzaは

コンピュータ将棋に革命をもたらしたソフトウェア・Bonanza(保木邦仁さん開発)は、すでにそのソースコードが公開されています。しかしBonanzaのソースコードは、自由に使っていいわけではなく営利目的使用などは禁止されているほか、2011年を最後に更新が停止されています。

このBonanzaによってコンピュータ将棋に機械学習が持ち込まれ、初代電王のponanzaも開発当初このBonanzaのライブラリを使うなど、「Bonanza後」の将棋ソフトは飛躍的に発展、現在に至っています。

今回のAperyのオープンソース化によって、平岡拓也さんの狙い通りいろんな人がこのプログラムに興味を持ちソースコードを活用すると、さらに将棋ソフトの強さは飛躍的に向上するかもしれません。

王手ラッシュの意図

こちらの記事で書きましたが、この第1局ではAperyが敗勢になってから、通常棋士がやらない行為である「王手ラッシュ」をかけてきました。

この王手ラッシュの意図について平岡拓也さんは終局後に以下のようにツイート。

この意図については、やはり批判的な意見もあるようで、

とも述べています。正直、あの王手ラッシュの時間、すごく長かったですからね。

しかしそれでも「プログラムに興味を持ってほしい」という気持ちが強かったのだと思われます。

ともあれ終局後の平岡さんは、王手ラッシュをして対局への未練たっぷりに見えたAperyと「電王手さん」に比べて、「力負けでした」と潔く負けを認めていました。

以下、とっても素敵なツイートなので再び掲載。

以上、ありがとうございました。

追記:
電王戦FINAL第1局からわずか2日後の3月16日、平岡拓也さんが以下のようにソースコード等を公開しています。

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