女子高校生棋士の漫画「紅井さんは今日も詰んでる。」に描かれた将棋指しの性格

2015年8月7日発売の「ヤングガンガン」No.16に、女子高校生奨励会員を描いた4コマ漫画「紅井さんは今日も詰んでる。」が11ページ(約20作品)にわたり掲載されていますので、ご紹介し、感想を述べたいと思います。

この漫画の原作は尾高純一さん、作画は野田大輔さん。

ヤングガンガンは隔週発売の漫画雑誌です。

残念系JK棋士4コマ

主人公は「残念系JK棋士」(表紙に記載のキャッチフレーズ)である紅井さん。

女子高校生の棋士と聞いて、しかも「紅井さん」という名前からして、竹俣紅女流1級が連想されますが、特にモデルになったとかいうことはないようです。

「紅井さん」は「べにい」と読むのではなく「あかい」と読みます。

フルネームは「紅井小馬」。「小馬」と書いて「こま」と読みます。

また、「JK棋士」となっていますが、紅井さんの肩書は、正確にはプロ棋士でも女流棋士でもなく奨励会員です。奨励会1級なので、かなりの実力者です。高校1年生で、将棋部員でもあります。

ストーリー

4コマ漫画なので、ストーリーというほどのストーリーはないのですが、設定としては、新任で将棋部顧問となった将棋初心者の教師「只野」が、押しの強いキャラの紅井さんに盤上でフルボッコにされるというものです。

只野は若い男の教師で、多分イケメンで、頭には寝癖があります。寝癖は髪の毛二束がピョンとはねている感じです。

紅井さんにとって只野は、新しい「サンドバッグ」。

先ほど、紅井さんは竹俣紅女流とは関係ないと書きました。が、竹俣女流とLINEやってると「しっかり働きなさい」とか言われて、押しの強い性格が垣間見れますので、もしかしたら原作者の尾高純一さんはそのあたりも取り入れているのかもしれません。

竹俣紅女流からLINEが来る日常

タイトルの「詰んでる」は「ツンデレ」にかかっているのだと思いますが、ツンデレってあれですよね、盤上ではツンツンとしていて、盤外ではデレデレとしている態度のことですよね。だとしたら紅井さんはツンデレではないです。

紅井さんは盤外でも只野に甘えることはなく、厳しい態度で臨みます。

私(管理人)の読解力が正しければ、ジャンルはギャグ漫画です。

日常に将棋用語が出てくる

個人的に最も面白かったのは以下のシーン。困っている只野を見た紅井さんが、顔を赤らめて満足そうにしている。

只野「満足そうだな!!オイ!!」

紅井さん「棋士は相手を困らせるのが仕事みたいなものだし」

只野「つくづく関わりたくねぇ奴らだな」

紅井さん「ダーメ 先生にはずっと私の面倒を見てもらうんだから!!」

(中略)

只野「本当・・・どこまで面倒見なきゃダメなんだよ」

「面倒を見る」の意味は

「面倒を見る」というのは、日常生活の用語では「世話をする」みたいな意味で使いますが、将棋用語としては「相手の攻めを受ける手を指す」という意味になります。「相手の攻めを無視してこちらも攻めるべきか、それもといったん面倒を見る(受けておく)べきか」みたいに使いますね。

「紅井さんは今日も詰んでる。」では、このように日常会話に将棋用語を絡めたシーンが多くあります。

上のシーンで言うと、紅井さんは「ずっと私の(盤上での攻めの)面倒を見てもらうんだから」と言っていますが、つまりこれは「ずっと私のサンドバッグでいてね」という意味になります。

一方只野は、将棋部の顧問として紅井さんに将棋に付き合わされ、サンドバッグにされるのに嫌気が差しているので、日常会話の用語として「どこまで面倒見なきゃダメなんだよ」と嘆いています。

そしてこのシーンでは第三者が上記の会話を聞いているのですが、先生と生徒のただならぬ関係が匂う会話に、勘違いをもよおしてしまいます。

紅井さん「誘ってるのは先生じゃない」
只野「強引に迫ってくるのはそっちです」

という会話もあって、勘違いされてしまいます。「誘う」は相手にわざと攻めさせるような手を指すこと、「強引に迫る」は無理気味にでも攻めて相手玉に接近することです。

只野は将棋初心者なので、「誘ってる」つもりはないのですが「誘ってる」と思われても仕方ないような隙を見せる手を指したと。それで紅井さんが攻めてきたので「強引に迫ってきた」ということです。

将棋指しの性格

また、「紅井さんは今日も詰んでる。」では、将棋指し独特の性格的な歪みを描写した場面もみられます。以下、紅井さんのセリフ。

「将棋指しは基本プライドが高いですから」
「将棋指しは(外見の)印象と棋風が違う人ばかりで信用出来ないの」
「(初心者を)フルボッコにしたらダメだって分かってるのにナメられるのは嫌で・・・(緩められない)。将棋って難しい!!」

次に、只野のセリフ。

「めんどくせー人種だな」
「関わりたくねぇな」
(紅井さんが男子部員の心を読んだが、その読みがネガティブすぎて)「ただの被害妄想じゃねぇか」

このように、愛らしい将棋指しの性格が只野によって語られています。

将棋と人間関係

紅井さんは感受性豊かな女子高校生のようで、以下の様なセリフもあります。

将棋は一手間違うと終わってしまうでしょ?それって人間関係と同じね

将棋は相手玉を詰ますことが目的ですが、人間関係でそれをやると破綻します。例えば相手と議論になって、得意気に論破してみたところで、それを見た周りの人達や相手からは「頭いい、かっこいい」と思われるどころか「関わりたくない」と思われるでしょうし、日常生活で自分の主張を通すというのは盤上とはまた違った難しさがあると思いますが、「一手間違うと終わる」という共通点もあると。そのようなことを述べたセリフだと思います。

私は、普段ほとんど漫画を読まないのですが、この漫画は4コマ漫画なので読みやすかったです。漫画はどのコマから読めばいいかわからん、という人でも読みやすいと思います。

なお「紅井さんは今日も詰んでる。」は8月21日発売の次号(No.17)にも掲載されると告知されています。

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